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パリの色

フランスに暮らして10年が経ちました。

海外暮らしであれこれ言いたい不満は山ほどあれど

”ファッションの自由”

に関しては、つける文句が見つかっていません。

 

Immana Parisのテーマの一つ”ファッション雑誌”。

 

プチセブンから始まり、non-no、Zipper、Popteen、JJ、Grazia、ELLE、Vogue、etc.

昔から暇があると雑誌を眺めていたけれど、

雑誌の中のモデルさんよりも20cm足りない身長のせいで諦めてきたオシャレは数知れず。

 

とりわけ"丈"と"バランス"を考えるときの服選びには、10代からずっと泣かされてきました。

 

その中で更に”流行り”まで追いかけていると、一体私には何が似合うのかすらもうわからなくなることも。

 

ファッション雑誌が大好きなのに、見ているとなぜかストレスが溜まっていました。。。。(_ _;)


 フランスへ来たとき、当時デジタル雑誌がまだない頃。

日本の雑誌は3倍の値段を出さないと買えなかったし、

ブログ以外のSNSが浸透する少し前だったので、情報量が少なかったと思います。

購買意欲を掻き立ててくれるものがありませんでした。

 

 今思えばこちらで色々な人と知り合い、働くようになるまでは、

”周りと比べて自分がどう見えるのか”を考えるばかりで、

”自分は何が好きなのか?” を、胸に手を当てて考えることが少なかったのだと思います。

 

 パリとは面白い街だなと思うのです。

モードの発信地でありながら、実際のパリジェンヌのワードローブには意外とトレンドを意識していないのではないか?

何を着てもいいから要は似合っているかが全て、のような。

しかも自分は一応モードのど真ん中で仕事をしているのに。

 

 ハードロック、パンク、60年代風、モノトーン主義、ロマンチック、古着オンリー、セクシー系etc...

 

 私が出会ったパリジェンヌ一人一人を見渡していっても、それぞれの持っているアイコンが違う。

何年経っても本人たちの土台が同じで、同じものを毎年着ています。

確かに感じるものは”私はこれが好きなのよ!”といった気迫。

 

 質素な暮らしが身についているフランスでは、

洋服が出費の優先順位の上にくるのはごく限られた人。

いつも新しい靴やバッグをただ取っ替え引っ替えしていれば

経済感覚を疑われるし(嫉妬も混じり・・・)、ずっと前からクローゼットにあるものや

身の丈に合った値段のものをその人らしく上手に見せられると、どうやらその人はオシャレだとなる。

 

 それはただ個性的なだけではダメで、

あくまでそれがその人の雰囲気に自然に馴染んでいることも大切なようです。

 

 パリは様々な人種が混じっているので肌の色も、

髪の色も質も、体型だってそれこそ十人十色。

外見だけでもこれだけの違いがあるのに、

出身国によりそれぞれの美的感覚は互いにもっと掛け離れています。

 

現地のファッション雑誌を開いてこんな風に着たい!と思ったところで、

ふと鏡を見れば自分はアジア人という現実・・・。

ポンっと街に放り出されて

「何を買うのも君の自由だ。似合うものは自分で考えてみろ!」

みたいな声が聞こえてきた気がしました。

 

 そんな中、ここ数年で私に根付いたのは”パリの色”という考え方。

 


 

 蚤の市を散歩するだけでも、

古くなった木の家具や寂れた銀製の食器、年季の入った革のバッグ。

名前がつけられない色をした燻んだ古本たち。

沢山のパリならではの色が目に飛び込んでくるので、

色彩感覚にかなり変化が起きていると思います。

 

写真一番最初のヴィンテージらしい色のトーンも、

こちらへ暮らしてから自然と増えていきました。

 

 最近では八百屋さんに行って種類が並んだかぼちゃを見たときにも、

山吹き色、鮮やかな黄色、オレンジに近い黄色、

様々な黄色がグラデーションのように並んでいて、

しばらく立ち止まって見惚れていたことがありました。

 

*

 

 そもそも色でオシャレを楽しむというのは、

フランス人がインテリアでもよく取り入れる方法です。

カーテンやソファー、更には壁ペンキの色までを2色か3色でまとめて

家全体に統一感を出すのが得意。

 私の義理の母のアパルトマンも、家具を大好きな赤で揃えていますが、

真っ白な壁には本人が趣味で描いた赤い絵も飾られています。

私も彼女に贈り物をするときには、もちろん赤を選びます。

 

”そうか、色で着こなしに個性を出したり、生活を楽しむのか。”

 

 確かにパリジェンヌの着こなしを見ていると、

自分の好きな色を堂々と服にも取り入れていることがあります。

 

 


 

 

良いヒントを得たところでここ最近

ヴィンテージテーストの色以外にも積極的に増やしている色があります。

 

これが”私らしい”ということなのだと信じて。

ピンク。

 

 体型コンプレックスは未だに解消されず、

失敗をしては知り合いに服を譲ったりの繰り返しだけれど、

買い物の基準はあくまで自分らしいか。

 

 ファッション雑誌は相変わらず大好きで買い続けていますが、

追いかけなくては!というストレスもないし、

好きなコーディネートが見つからなくても別にそれでいい。

また来月に期待。そんな感じです。

 どう頑張っても今から20cm上の身長は目指せなそうだし、

いつかは自分にしっくりくるスタイルに出会えることを夢見て・・・・。

 

 パリの色、Immana Parisのブローチにもぜひ見つけてみてくださいね。